手をあわす心

友引や仏滅は悪い日ですか

占いがブームになっているようですね。これも昭和元禄といわれている現代の象徴かもしれません。「日曜日は都合が悪くて駄目よ」という人はあっても、水曜日は縁起が悪いとか、木曜の午後は縁起が悪いから商売の取引はしない、などいう人がないところを見ますと、七曜(月火水・・・・)の方は縁起には関係がないようです。

これに対して、六日に一度ずつまわってくる六輝だけがかつがれるのはおかしいことだと思います。六輝は江戸中期以後につけられた暦注の一種にすぎません。だから昔はいわなかったことなのです。これと同様に十二支も同じことで、世界中の亥年の生れの人が全部いのししの性質を持っている、などとまじめに考えるのもこまります。

仏滅は文字の上では、なるほど仏さまの入滅された日の意味で縁起が悪いかもしれませんが、人間は十三日の金曜日に生れることもあれば、大安の元日に死ぬこともあるのです。

また友引はもともと「共に退く」で、相引、勝負なしの意味だったのを、同じことがあとを引く意味に取り違えたので、この日にお葬式を出してはいけないなどというのは二重の迷信です。明るく生きれば「日々これ好日」で、日の吉凶にとらわれて、正しい努力を怠るなどは各宗の祖師がたも堅くいましめておられます。占を軽く受け流せる生き方、考え方を自分の心の中に持ちたいものです。

◎朋友三つの要法あり。一つに過失あるを見てはこれを諌め暁かし、ニつには好事ある時は深く随喜し、三つには苦厄においても捨てざるなり(因果経)