なぜ七、七、四十九日の法要をいとなむのですか
葬儀が終ると初七日から七、七日の四十九日まで七日目ごとに法事をいとなんできたが最近は三つ月ごしをさけてこの法事を早くきりあげる風潮がある。
この法事の起源は、もともとこの世とあの世の中間にある世界を"中有"とか"中陰"といい、その世界にいる期間が四十九日間であるとされ、そこから次の世界に生まれるかまだ決まっていない魂を"中有に迷う"と表現しているのである。
その中有の世界では、七日ごとに地獄の使者があらわれて、死者の生前の行為をたずねそれによって次にどの世界に生まれるかが決定するのだといわれてきた。つまり先人たちの善因善果、悪因悪果の教えである。しかし、普通の人聞なら悪業を重ねているのでその結果、三悪道とよばれる地獄、餓鬼、畜生のどれかの世界に生まれることになる。遺族にとっては、何とか故人が、よりよい世界に生まれて欲しいという願いから、法事をおこない、読経の功徳によって故人をよりよい世界に送りたいという追善の気持から、この法事が行なわれるようになったのである。
それと同時に、この法事が現在も続けろれている理由の一つに、生き残った遺族のものたちにとって大きな慰めとなることもその一つであると思われる。
◎寝ざれば夜長く、疲るれば道長く、愚かなれば生死長し。正しき法を求めぬものに人生むなしからん(法句経)